2022年1月2日発売 / Style No. SS38850 / SUN SURF SPECIAL EDITION “一富士二鷹三茄子 EAGLE & Mt.FUJI”

TEXT: サンサーフ企画総括・アロハシャツ研究家 中野喜啓 (YOSHIHIRO NAKANO)

 

 

SUN SURF SPECIAL EDITION

Early 1950s Style Fuji Silk Hawaiian Shirt “一富士二鷹三茄子 EAGLE & Mt.FUJI”

 

年代:1950年代前期 / 素材:富士絹(シルク) / 捺染:オーバープリント

柄パターン:ホリゾンタル・パターン / ボタン:ココナッツボタン

 

 

 

 

一富士・二鷹・三茄子(いちふじ・にたか・さんなすび)。古くから初夢に見ると縁起が良いとされている3つのモチーフを描いたこのアロハシャツは、1950年代前半に「S・ハタ商店」というブランドが手掛けたヴィンテージを再現したものである。サンサーフでは2005年にも一度復刻しているが、長年寄せられてきた多くのリクエストに応え、約17年ぶりの再復刻を果たした。

 

現在、ヴィンテージとして高く評価されている1930~50年代に作られたアロハシャツの多くはレーヨン製だが、本作はヴィンテージの中でも珍しいシルク製。当時、日本で作られハワイに輸出された富士絹(ふじぎぬ)と呼ばれるシルク生地を再現している。

 

また、一見すると色数が少なく見えるが「地型」も含めて実は20色もの型(プリントの版)を使用。それらの型を1色ずつ摺り重ね、「たたき」「毛抜き合わせ」と呼ばれる高度なプリント技術を駆使し、雄大にそびえ立つ富士山や、翼を広げ飛び立とうとする鷹を繊細かつ大胆に描き出している。

 

 

SUN SURF ONLINE STORE

SS38850 / SUN SURF SPECIAL EDITION “一富士二鷹三茄子 EAGLE & Mt.FUJI” 商品ページ

 

 

 

 

富士・鷹・茄子を描いた「初夢柄」

 

新しい年を迎えた正月の夜に見る「初夢」。日本古来より、初夢に出てくると縁起が良いとされているのが「一富士・二鷹・三茄子」である。その由来には諸説あるが、富士は不老長寿、鷹は立身出世、茄子は子孫繁栄などを意味し、験(げん)を担いで縁起の良さにあやかったものであった。

 

本作でも、雄大にそびえ立つ富士山をバックに、己を誇示するかの如く翼を広げる鷹。その傍らには茄子が描かれている。ハワイに渡り厳しい状況で生活していた当時の日系移民たち。彼らは日本に想いを馳せ、このように縁起物をモチーフとしたアロハシャツを好んで身につけていた。その文化を象徴する、まさに歴史を語る一着。本作の発売予定日は2022年1月2日。新春の晴れの日に相応しいアロハシャツと言えるだろう。

 

 

 

 

ヴィンテージでも珍しい「富士絹」製のアロハシャツ

 

生地は通常のサンサーフで使用しているレーヨン製ではなく、富士絹(ふじぎぬ)というシルク製。明治時代に富士瓦斯紡績(ふじがすぼうせき)株式会社が開発したシルク生地で、その会社の名前をとって「富士絹」と呼ばれるようになった。サンサーフでは、ヴィンテージをもとに富士絹の組成を分析。経糸・緯糸ともに絹紡糸を用いて織り上げ、やや生成りがかった自然な色合いや、羽二重(はぶたえ)のような肌触りの良い生地感、柔らかな独特の光沢感がある風合いを再現している。

 

 

 

 

プリントのこだわり① 2枚の「地型」

 

本作には特筆すべきポイントがいくつかある。まずはじめに紹介するのは2枚の「地型(じがた)」を使っている点。一見するとムラ染めしたかのように見えるグラウンドの模様。これも実はプリントである。通常、多くのアロハシャツの地色は単色であるため、地型(地色を摺るために使う型)は1枚。しかし本作では、細かくひび割れたようなデザインの地型を作り、薄いブルーと濃いネイビーの2枚の地型を摺り重ねてグラウンドの柄を再現。このような仕様はヴィンテージでも非常に珍しい。

 

 

 

 

プリントのこだわり② 「たたき」でグラデーションを表現

 

本作のプリントで特筆すべき二つ目のポイント。それが「たたき」である。柄をクローズアップしてみると、非常に細かく彫られた型を摺り重ねることで、色の境目を馴染ませて(実際のところ重色はしていないが)自然な陰影を表現していることがわかる。これらの箇所では「たたき」と呼ばれるグラデーションの型を駆使し、遠方に臨む雪化粧した富士の山肌、鷹の羽毛の立体感、背景の波の躍動感などを繊細に描写している。

 

 

 

 

プリントのこだわり③ 色の境目を明瞭にする「毛抜き合わせ」

 

本作のプリントにおいて特筆すべき三つ目のポイントが「毛抜き合わせ」。ここではグラウンド(地色)とモチーフ(柄)の境目に注目して欲しい。上記の「たたき」とは異なり、色の境目がはっきりとプリントされていることがわかるだろう。

 

型を摺り重ねるオーバープリントにおいて、色の境目にはハレーションと呼ばれる「滲み」が起きやすい。ヴィンテージアロハシャツの中にはそのハレーションを活かし、重色をプリント表現のひとつとしている柄も存在するが、本作では濃い地色と淡い柄の色の境目を滲ませず明瞭にすることで、柄が浮き出てくるかのような迫力ある仕上がりとしているのである。

 

サンサーフではヴィンテージ同様、地色と柄の境目に「髪の毛1本が通るか通らないか」という非常に細い隙間を設け、色の境目をより明瞭に表現している。これが「毛抜き合わせ」。色が重ならないよう精度の高い型を作る職人の技術、そして寸分違わず型を摺り重ねることができる職人の技術を要する、サンサーフならではのプリントへのこだわりが垣間見えるディテールである。

 

 

 

 

VINTAGE ALOHA SHIRT MUSEUM

S・ハタ商店 ヴィンテージアロハシャツ 「EAGLE & Mt.FUJI」 年代:1950年代前期

 

戦前より日本製の生地を扱い、アロハシャツの歴史において大きな役割を果たしてきたブランド、S・ハタ商店。日系の生地コンバーターでもあった同社は日本の大手生地商社「市田(いちだ)」と手を組み、日本製のシルク羽二重、レーヨン壁縮緬、綿、ポリネシア・プリントなどの生地を輸入して、ヴィンテージアロハシャツブランドとして知られる「ハレ・ハワイ」「トロピカーナ」「マリヒニ」などに卸売をしていた。また生地の流通と併せ、自社でもオリジナルデザインの生地を日本へ発注。本作のようなS・ハタ商店ネームのアロハシャツだけでなく、1950年代にはワイキキに「チェリー・ブロッサム」というショップを開店させ、Cherry Blossom ネームのアロハシャツも販売していた。

 

 

 

 

SUN SURF ONLINE STORE

Y・ハタ・カンパニー 復刻版アロハシャツ「MONKEY THE CARP RIDER」 年代:1940年代前期

 

S・ハタ商店の屋号はハタ・ファミリーの兄「サダノスケ・ハタ」の名に由来するが、弟の「ヨイチ・ハタ」もハワイ島ヒロでY・ハタ・カンパニーを興し「ハタ・ドライグッズストア」のネームでアロハシャツを展開。これらの作品を見ればわかる通り、ハタ・ファミリーは良質な日本製のプリント生地を使って多くの個性的なデザインを世に残し、同社の手掛けたアロハシャツはヴィンテージ市場でも高く評価されている。

 

 

 

 

 

ディテール① ブランドネーム

名作に敬意を表し、各部のディテールまでヴィンテージの魅力を余すところなく再現するサンサーフ・スペシャルエディション。S・ハタ商店のネームは、オーナーの苗字である「畑」の文字を取り入れ、さらに日本を連想させる舞妓が描かれたデザインとなっている。

 

ディテール② フロントのボタン

和柄のヴィンテージアロハシャツには竹を加工して作ったボタンが使われていることが多いが、本作はココナッツから削り出したボタンを使用。中央がくぼんだ皿型の形状も特徴的である。

 

ディテール③ 襟の第一ボタン

小ぶりで膨らんだ形状の第一ボタン。他のフロントボタンと形状は異なるが、素材は同じくココナッツが使われている。

 

 

 

 

ディテール④ 胸ポケット

胸のポケットは片玉縁の仕様となっている。身頃・玉縁布・袋地の縫い合わせが肝となる片玉縁ポケット。様々なものが簡略化されオートメーション化される中で、その流れに逆らい現代に受け継がれる伝統の縫製仕様である。

 

ディテール⑤ 下げ札

当時、ハタ・ファミリーが展開するショップで販売されていたアロハシャツに付けられていた下げ札を再現。表記されている文面を見ると、日本から様々なものを輸入していたことがわかる。

 

ディテール⑥ 専用ボックス

サンサーフ・スペシャルエディションに付く、アロハシャツ専用の箱。2022年のスペシャルエディションのボックスはオレンジの配色となっている。

 

 

 

SUN SURF SPECIAL EDITION

Early 1950s Style Fuji Silk Hawaiian Shirt “一富士二鷹三茄子 EAGLE & Mt.FUJI”

 

Style No. SS38850 ¥42,900

Size: S, M, L, XL, XXL

Color :128) NAVY

 

2022年1月2日より販売開始 / In store very soon.

 

 

 

サンサーフ・オンラインストア

SUN SURF ONLINE STORE

SS38850 / SUN SURF SPECIAL EDITION “一富士二鷹三茄子 EAGLE & Mt.FUJI” 商品ページ

 

※ 公式オンラインストアでは 2022年1月2日の午前0時頃 (1月1日の深夜24時頃) から販売開始となります。商品の発送は1月6日を予定しております。オンラインストアの商品ページから事前に「再入荷お知らせメール」の申し込みをしていただきますと、販売開始時に自動配信メールでお知らせいたします。

 

下記の年末年始休業期間中もオンラインストアでのご注文やお問い合わせフォームからのご質問は受け付けておりますが、商品の発送ならびにご返信等の対応は1月6日(木曜日)以降となります。ご不便をお掛けし恐縮ではございますが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。

 

年末年始休業期間:2021年12月29日(水曜日)から2022年1月5日(水曜日)まで

 

 

 

“EAGLE & Mt. FUJI” by S.HATA SHOTEN

Style No. SS38850 (short sleeve)

Made early 1950s

Material : Silk

Print : Horizontal Pattern, Over-Print

Button: Coconut

 

“S. Hata Shoten” company had played an important role in the history of aloha shirts by handling fabrics made in Japan since before the war. The company, which was also a Japanese fabric converter, teamed up with ‘Ichida,’ a major Japanese fabric trading company, and imported Japanese fabrics such as silk, rayon crepe (or Chiri-men), cotton and Polynesian prints to wholesale to local Hawaiian brands at the time including “Hale-Hawaii”, “Tropicana” and “Malihini”.

 

The “EAGLE & Mt. FUJI” has been a very popular Hawaiian shirt constantly requested for revival. The eagle spreads widely its wings with Mt. Fuji standing tall in the background. Eggplants are also painted beside it. Japanese believe that it’s very auspicious to see Mt. Fuji, eagle and eggplant together in the first dream of the year. It is said the Immigrants from Japan who were forced to live under difficult conditions in Hawaii loved very much to wear this type of shirts as lucky charms.

 

The one large eagle art was perfectly depicted even on the front of a shirt by using the skillful cutting and sewing technique to make right and left panels match completely. This shirt was duplicated based on an original vintage shirt made of silk from the early 1950’s, while there are also vintage shirts with the same art but made of Rayon or Rayon Crepe fabric.