展覧会「ヴィンテージアロハシャツの魅力 COLLECTION by SUN SURF」【開催終了】

TEXT: サンサーフ企画総括・アロハシャツ研究家 中野喜啓 (YOSHIHIRO NAKANO)

 

 

神奈川県の茅ヶ崎市美術館にて開催中の展覧会「ヴィンテージアロハシャツの魅力 COLLECTION by SUN SURF」。9月からスタートした本展覧会の会期も、残すところあと2週間ほどとなりました。大変多くの方にご来場いただき、心より御礼申し上げます。

 

 

1930年代から1950年代にかけて作られ、現在では「ヴィンテージ」と呼ばれる貴重なレーヨン製のアロハシャツ。茅ヶ崎市とホノルルとの姉妹都市締結5周年を機に行われている本展覧会では、サンサーフが長年にわたり蒐集し続けてきた4000着にも及ぶヴィンテージアロハシャツの中から厳選した122着を一堂に会しています。日本の公立美術館でのアロハシャツの展示は今回が初であり、日本文化を背景に持つアロハシャツがアート作品として美術館に展示された記念すべき展覧会となっています。ここではあらためて「ヴィンテージアロハシャツの魅力」展の見どころについてご紹介させていただきます。

 

 

 

 

茅ヶ崎市美術館の展示室は、地上1階にある「展示室1」、地下1階にある「展示室2」「展示室3」の計3フロアから成り、今回は展示室ごとにテーマを分けてヴィンテージアロハシャツの展示を行いました。

 

 

まず展示室1のテーマは「和」。一般的に「アロハシャツ」と聞くと色鮮やかな花々や南国モチーフのトロピカルな絵柄を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、アロハシャツ黎明期の1930年代や最盛期の1950年代にはオリエンタルなモチーフの「和柄」が多く見られます。アロハシャツの歴史には日本からハワイへと渡った日系移民の人々が深く関わっており、和柄アロハシャツにはその歴史背景が現れているのです。

 

 

 

 

ここでは「ムサシヤ」や「キング・スミス」などアロハシャツの歴史を支えた当時のメーカーを紹介しつつ、和柄アロハシャツの最高傑作として知られる「百虎」やアロハシャツ最初期の1着「キモノ・デザイン」、ハワイの日系人部隊「ワン・プカ・プカ」に関連したミリタリーモチーフのアロハシャツなど、貴重なヴィンテージの数々を展示。他にもこれまでお見せする機会の無かった本邦初公開のヴィンテージアロハシャツを展示しています。

 

 

 

 

対して展示室2のテーマは「洋」。アロハシャツはハワイの観光業の発展とともに歩みを進め、年代を追うごとにそのデザインも新たな広がりを見せていきました。ここでは「オールオーバー・パターン」「ボーダー・パターン」「ホリゾンタル・パターン」「ピクチャー・プリント」「バック・パネル」といったデザインパターン別にヴィンテージアロハシャツを分け、そのデザインの多様性を楽しめる展示となっています。

 

 

 

 

またここではオリンピックのメダリストであり親善大使としても活躍したハワイの英雄「デューク・カハナモク」の手掛けたアロハシャツ、豪華客船マトソンラインの「メニュー柄」、楽園ハワイへの旅をモチーフとし、パンナムやユナイテッドエアラインなど航空会社のノベルティとして作られたアロハシャツなど、トピックス性の高いヴィンテージも紹介。このフロアに額装して展示されている「ランド・オブ・アロハ」は1950年代当時に京都で作られハワイへと渡ったもので、日本が古くから培ってきた捺染技術によってハワイらしい絵柄がプリントされたアロハシャツであることから、日本とハワイとの繋がりを象徴する一着として本展覧会のポスターにも使われています。

 

 

 

 

そして最後の展示室3に展示されているのは、ヴィンテージではなく現代のアーティストたちが手掛けたアロハシャツ。1997年にスタートしたサンサーフ「ケオニ・オブ・ハワイ」レーベルの歴代のアロハシャツを全作品紹介しています。

 

 

 

 

20世紀半ばにテキスタイルデザイナーとして活躍し、アロハシャツの歴史を語る上で欠かすことのできない人物、ジョン・ケオニ・メイグス。彼をはじめとする優れたデザインのヴィンテージアロハシャツを生み出してきたデザイナーたちに敬意を表し、現代のアーティストたちがアロハシャツをキャンバスに作品を生み出しているこのレーベル。「アート作品としてのアロハシャツ」を楽しんでいただけるフロアとなっています。

 

 

普段なかなか目にすることのできないアロハシャツの数々を展示した本展覧会。会期も残りわずかとなりましたが、ぜひこの機会にアロハシャツの魅力に触れていただけたら幸いです。

 

 

 

 

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エイ出版社「CLUTCH magazine」のIGTVで「ヴィンテージアロハシャツの魅力」展を取材していただきました。また、茅ヶ崎市美術館のYouTubeチャンネルでも本展覧会の紹介動画をご覧いただけます

 

 

 

 

そして来る2021年。この展覧会の開催を記念し、アロハシャツの黎明期である1930年代に作られた希少なヴィンテージアロハシャツ「唐獅子牡丹」をサンサーフにて復刻します。詳細は今後あたらめてご紹介して参ります。